DRIVE CIRCUIT
MOSFETスイッチ入門
Nch / Pch MOSFETで電球をON/OFFする、基本の使い方
1MOSFETの記号
MOSFETには3本の端子があります。ゲートにかける電圧で、ドレインとソースの間をON/OFFする「電圧で動くスイッチ」です。
- G(ゲート):制御用の端子です。ここにかける電圧でON/OFFが決まります。ほとんど電流は流れません。
- D(ドレイン)・S(ソース):負荷の電流が通る端子です。
- 矢印の向き:Nchは内向き、Pchは外向きです。
- 途切れた縦線:エンハンスメント型(ゲートに電圧をかけないとOFF)を表します。
ON/OFFを決めるのは「ゲートとソースの間の電圧 Vgs」です。ゲート単体の電圧ではなく、ソースから見たゲートの電圧で考えるのがポイントです。
2Nch MOSFET:ローサイドスイッチ
FETを負荷とGNDの間(ロー側)に置きます。ソースがGNDにつながるので、ゲートに+Vをかけるだけで Vgs = +V になり、ONになります。
電流の流れ
- スイッチ
- OFF
- ゲート電圧
- 0V
- Vgs
- 0V
- FET
- OFF
- 電球
- 消灯
プルダウン抵抗が必要な理由:ゲートはコンデンサのように電荷をためます。抵抗がないとスイッチを離しても電荷が残り、ONのままになったり、ノイズで勝手にON/OFFしたりします。プルダウン抵抗が、スイッチOFFのときにゲートを確実に0Vにします。
3Pch MOSFET:ハイサイドスイッチ
FETを電源と負荷の間(ハイ側)に置きます。ソースが+Vにつながるので、ゲートを0Vに下げると Vgs = −V になり、ONになります。
電流の流れ
- スイッチ
- OFF
- ゲート電圧
- +V
- Vgs
- 0V
- FET
- OFF
- 電球
- 消灯
プルアップ抵抗が必要な理由:Pchは「ゲートがソースと同じ電圧(+V)」のときにOFFです。プルアップ抵抗が、スイッチOFFのときにゲートを確実に+Vに保ちます。
4Nch と Pch の比較
| Nch(ローサイド) | Pch(ハイサイド) | |
|---|---|---|
| FETの位置 | 負荷とGNDの間 | 電源と負荷の間 |
| ソースの接続先 | GND | +V |
| ゲート抵抗 | プルダウン(GNDへ) | プルアップ(+Vへ) |
| ONにするには | ゲートを+Vにする | ゲートを0Vにする |
| ON時の Vgs | +V(プラス) | −V(マイナス) |
| 電流の向き | D → S | S → D |
| よく使う場面 | LED・モーター・リレーの駆動など、一般的なスイッチ | 電源ラインごとON/OFFしたいとき、負荷のGNDを共通にしたいとき |
迷ったらNch:同じサイズなら、Nchのほうが一般にON抵抗が小さく安価で、種類も豊富です。基本はNchのローサイドスイッチから始めるのがおすすめです。
5補足:ボディダイオードについて
データシートや部品の記号では、ドレインとソースの間にダイオードが描かれていることがあります。これはMOSFETの構造上どうしてもできてしまうボディダイオード(寄生ダイオード)です。
- このページの回路の使い方では、ボディダイオードは逆向き(逆バイアス)になるので電流は流れません。そのため、説明の図では省略しています。
- 電源を逆に接続したときや、モーター・リレーなどのコイルを駆動するときには影響が出てきます。そうした回路を組むときに、あらためて意識すれば大丈夫です。